2017年12月6日水曜日

アクロス・ランチタイムコンサートで「ピアノ三重奏曲」

アクロス・ランチタイムコンサートに行った。
Sさんの奥さんがアクロス福岡の『若林顕&鈴木理恵子デュオコンサート』のチラシを見せてくれた。
「とても、よかった。1000円で1階が満席だった」と聞いて、そんな機会があればと、アクロスのHPにアクセス。12月6日、「アクロス・ランチタイムコンサート vol.62 フランツ・バルトロメイ リサイタル with 篠崎史紀」とあるではないか。



この日は、前からKさんが毎年行っている油絵の個展を妻と見に行く予定を立てていたので、絶好の日取りだった。すぐにネットでチケット購入手続きをした。ら、なんと、1,2階はもう売り切れ、3階のみだった。

ちょっと早めにアクロスに着いたが、もう、かなりの人が来ていた。



プログラムもきちんとしたものだった。
チェロのフランツ・バルトロメイは元ウィーン・フィルの首席奏者。篠崎さんは言わずと知れたN響のコンマス。ピアノは田中美江という人だった。



最初はチェロの独奏曲「マレのスペインのフォリア」。バルトロメイさんが編曲したものらしい。
聞いたこともない曲名だったが、奏で始めると、どこかで聞いた曲だ。
ラフマニノフの「コレルリの主題による変奏曲」ではないか。
哀愁を帯びたメロディー、派手さはないが、人生を訥々と語るようなチェロの音色に酔いしれた。
その響きは、左隣の妻も、右隣りの見知らぬ客をも眠りに誘うほど心地よいものだった。

次の曲は、「シューベルトのピアノ三重奏曲第1番」。
五重奏曲「ます」は有名だが、ピアノ三重奏というのは他の作曲家でもほとんど接する機会がない。
三重奏団といえば、カザルス、コルトー、ジャック・ティボーという夢のようなピアノ・トリオが有名だがCDは持っていない(Youtubeにあった)。

バイオリンとチェロのユニゾンで始まり、途中からバイオリンが上から一気に軽快に降りてくると、下からチェロが低いところから同じ調子が駆け上ってくる。
貧しかったが友達は多かったシューベルト。気のおけない、何も遠慮することのない友と楽しい会話をしているような明るい旋律。そこにシューベルトらしい散和音やユニゾンで上がったり下がったりするピアノが絡むと、たくさんの友が集まってあり余るのエネルギーを発散しながら、青春を謳歌している風景が浮ぶ。(カザルス・トリオの演奏)
楽しいひとときを終え、温かい日差しの中で、なごやかに会話をしているようなきれいな旋律の第2楽章。(カザルス・トリオの演奏)
第3楽章。ピアノのスタッカートの軽快な音に、バイオリンもチェロも誘われて、再び楽しい宴が始まる。ピアノの和音が効果的だ。(カザルス・トリオの演奏)
最後の第4楽章は、メロディーがさらに饒舌になり、みんな揃って楽しくてたまらないといって終わる。(カザルス・トリオの演奏)

コンサートで感じたことを書いた。
地味で玄人ごのみのシューベルトと思っていたが、こんな曲もあったのだと、改めて、恐るべし、シューベルト。
演奏も、バランスもよく、とても満足した。これが1000円とは。恐るべし、アクロス。

アンコールはモーツァルトのピアノ三重奏曲。あとで出口に第4番より第1楽章と書かれていた。
先ほどのシューベルトもよかったが、このモーツァルトの主旋律が耳から離れない。
シューベルト様。すいません。



◎カデンツァ♪
三重奏曲は、曲の頭にたいてい「ピアノ」とついている。
カザルス・トリオで有名なように、チェロが大きな役割を担う。
「○○チェロ・トリオがチェロ三重奏曲~~を演奏します」と言えばいいのに、○○ピアノ・トリオという。なぜだろう。


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